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子ども・子育て新システムについて思うこと・その6~保育所では「幼児教育をしていない」という前提認識への疑問~ [保育について]

子ども・子育て新システムについて思うこと・その6
~保育所では「幼児教育をしていない」という前提認識への疑問~

 2010年11月19日、基本制度ワーキングチーム資料のうち、
「幼保一体化の目的について(案)」を見ると、
 http://www8.cao.go.jp/shoushi/10motto/08kosodate/wg/kihon/k_5/pdf/s1.pdf
「これまでの幼保一体化の取組については、
① 仕事と子育ての両立のための支援が進み、
就学前の子ども(5歳児)の約6割が幼稚園から小学校に入学する一方、
保育所からも約4割の子どもが小学校に入学する中で、
幼稚園・保育所を問わず、希望する全ての子どもに対し、
生涯にわたる人格形成の基礎である質の高い幼児教育・保育を保障するという
主として幼児教育の振興の視点、
② 仕事と子育てを両面で支援するなど
社会全体で次代を担う子どもの育ちを支えるという主として次世代育成支援の視点、
③ 家庭や地域の教育力・子育て力の低下、保護者の多様なニーズ等を踏まえ、
家庭や地域の実情、保護者の多様なニーズ等に応じ、
希望する全ての子ども及び子育て家庭を支援するという
幼児教育の振興・次世代育成支援共通の視点、
という3つの視点がある。」
と記載されている。

保育所では「高い質の幼児教育」が行われていない、
世界に誇る高い質の幼児教育を保育所でも受けられるように、
という前提の記載に読める。

二つの視点から疑問を持つ。

一つは、保育所保育指針を読めばわかるとおり、
保育所でも幼児教育への取り組みは位置づけられてきた。

我が家の中1、小4の子どもらを見ていると、
保育所だから幼児教育がなされなかった、
などということは全くなかった。

保育所は、日曜・祝日・年末年始の数日を除く他、
年間300日近く開所しており、その長時間保育の特性を生かして、
保育の中に、「幼児教育」を取り入れている。

例えば、
食育という観点からは、園庭やプランターでの野菜の栽培、
給食の時間には、栄養士から子どもたちに
「今日の献立の赤い食物は?緑の食物は?黄色の食物は?」という説明があったり、
年長児になると、「献立リクエスト」があり、2、3人のグループごとに、
栄養士と一緒に、栄養バランスのとれた、且つ、自分たちの好きな!献立をたてたり。

体育の側面では、例えば鉄棒が流行した時には、
長時間保育の利点から、子どもたちは朝から夕方までセッセと練習し、
クラスの多くの子どもたちが前回りのみならず逆上がりに成功、
空中逆上がりの連続記録も樹立された。

ブロック遊びが大流行した時は、子どもたちの凝った作品を壊すのが勿体なくて
使えるパーツが足りなくなってしまって、即席展示会を開催して、
「お父さん・お母さんに見てもらってからバラそうね」ということもあった。

劇ごっこで取り上げられるお話は、もちろん子どもたちに人気のある絵本から。

どんな場面でも、得意な子に苦手な子がコツを聞いて、
というのは当たり前の姿。
生活時間の大部分を保育所での時間がしめているから、
良いところも、足りないところも、全部ひっくるめて
認めあえる子どもたち。

「幼児教育」と大上段に振りかざした紹介はなくとも、
保育所でも充分「質の高い幼児教育」がなされていた。

もちろん、園によるばらつきが多いことは否定しない。
しかし、それは、幼稚園でも同じこと。
保育所だから幼児教育がおこなわれていない、質が低い、という決め付けを前提に、
子ども政策全体を大きく変えることには、大きな違和感を禁じえない。


二つ目。
子どもが小学校に上がってから、
「保育園出身の子は」という批判をしばしば耳にした。
当初は反発も感じたが、虚心坦懐に子どもたちの現象を見ると、
実は、保育所出身の子の中に集団行動ができない子が
比率としては多く含まれている、ということも事実であると気付いた。

実は、このことこそ、保育所が誇るべき文化である。

保育所出身の子に、集団行動ができない子が多く含まれる理由は二つある。

一つは、
0歳児、1歳児という低年齢から保育所に入所するため、
子どもの育てにくさや、発達の違いに気づく前に、
当然に統合保育が行われていること。

もう一つは、
「育てにくい子」、「落ち着かない子」、「目線があわせられない子」、「言葉が遅い子」など、
家庭だけでの養育が困難な子どもや、
そういった子ども側の事情も相まって、母子カプセルの中で虐待の恐れがあると、
児童福祉法24条4項の「要保護児童」ということで、
保育所が育児支援に乗り出すことになる。


一部の人気幼稚園で、「建学の精神」等から、子どもと家庭を選別していることとの対比で、
保育所が、「すべての子ども」を受容し、包含している事実は、もっと強調してよい。

世の中は、大人の(上司の)指示命令に従える人だけでなく、いろんな人がいる。
エジソンだって、ビル・ゲイツだって、大人の枠から見て「良い子」ではなかった。

一人ひとりの子どもの良いところを見て、伸ばしてやれる環境が大事。
保育園でも幼稚園でも、それが可能なだけの、
人(保育士・幼稚園教諭)の配置の余裕が必要。

子どもたちに金をかけなければ、日本はジリ貧である。



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