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子ども・子育て新システムについて思うこと・その4~介護保険型の「利用者補助方式」への疑問③・「指定制」と指導監督権限~ [保育について]

子ども・子育て新システムについて思うこと・その4
~介護保険型の「利用者補助方式」への疑問③・「指定制」と指導監督権限~

1.政府の提案=「指定制」

2010年11月4日、基本制度ワーキングチームにおいて提案された
「幼保一体給付」の政府案では、介護保険をモデルにあげて、
「客観的な基準を満たすことを要件に、多様な事業者の参入を認めるべき」とする。
「客観的な基準」の説明としては、
「財政的な基盤や組織等、サービスの質を担保するために必要な客観的基準」のみ。
「保護者の選択に資する観点から、情報開示の標準化が必要ではないか」と。
http://www8.cao.go.jp/shoushi/10motto/08kosodate/wg/kihon/k_3/pdf/s1-2.pdf

そして、政府の「待機児対策特命チーム」は、
保育サービス事業者へのヒアリング対象として、
ベネッセスタイルケアからヒアリングしたようである。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/taikijidou/

2.「指定制」への懸念

指定制によって保育事業に参入する「多様な事業者」が、
ベネッセのようなまともな会社ばかりなら良いのかもしれないが、
実際には「ちびっこ園」のように20年で21人死亡事故を起こす業者を筆頭に、
認可外保育施設の中には、死亡事故のリピーター事業者はかなりの数、存在する。
こういった金儲け本意で、詰め込み、保育士不足、子ども放置の劣悪事業者を、
どうやって排除するのかが、重大な課題である。

子どもの命は取り戻せない。
ゆめゆめ事前規制を緩めてはならない。

3.「ちびっこ園」の例

「ちびっこ園」では、全国66ヶ所のチェーン店で、
20年間で21人の死亡事故があった。
平成13年3月におきた21人目の死亡事故
(一つのベッドに2人の乳児を入れて、寝返りにより一方が他方に覆い被さり窒息死)で、
社長以下が逮捕され、有罪判決を受け、社名変更した。

会社の方針として、
「預け先が無くて困っているお母さんのため」という名目で、受け入れを断らない、
しかし、人件費比率31%以下、という全社目標のため、
安い時給でしか募集しないから常に求人を出していても応募が足りない、
時給が安くて保育士が定着せず、どんどん辞めていく、
1日おきに24時間連続勤務で回している園もあった。
現場の保育士にも可哀想な保育園だった。

同一のベッドに2人入れて死亡した事例が2例目だったこともあり、
現場の保育士ではなく、背後の社長以下マネージャーが逮捕・有罪となった。

4.リピーター事業者の点在

私自身が把握しているだけでも、大阪、川崎、郡山、山形で、
過去に死亡事故を起こした認可外保育施設での、
2度目、3度目の死亡事故が起こっている。

典型的なのは、うつぶせ寝で目を離して心肺停止で死亡、というもの。

5.都道府県・政令市の指導監督権限の不行使

ところが、平成13年の児童福祉法改正で定められた、
認可外保育施設の届け出制と、都道府県・政令市の指導監督権限、
平成14年の「小鳩幼児園」事件(園長が子どもを虐待して殺し、殺人罪有罪)で
権限不行使で国賠訴訟に敗訴した香川県が、
その後、平成18年に1件閉鎖命令を出しただけ。

全く機能していない。

先日、被告にしている郡山市からは
「認可外保育施設に対する指導監督権限について定めたものであり、
指導監督義務を直接的に定めたものではない。」という主張が出てきた。
最高裁判例は、権限不行使が許容される限度を逸脱していれば違法、とし、
およそ「権限であって義務ではない」という考え方は誤りである。)

都道府県・政令市の行政職員の認識は、この程度、ということである。

6.都道府県・政令市のHPに騙されないで

都道府県・政令市のHPに認可外の立入調査結果、
認可外保育施設指導監督基準に適合しているとした施設には
○がついている、というのが一般的。

保育士配置や面積に指摘事項がある園は論外として、
○がついていても全くアテにはならない。

最近のうつ伏せ寝死亡の相談は、
県のHPで基準を満たしていることになっているのを両親が確認し
県がお墨付きを与えているのだから大丈夫だろう、と預けたケースが多い。

しかし、立ち入り調査の実態は、厚生労働省のマニュアルに、
認可外保育施設への立入調査は、原則として予告して行くことになっている。

予告があれば、
普段は、詰め込み、保育士不足、午睡中もうつ伏せ寝で放置していても、
調査の日だけ、何人か子どもに休んでもらい、人手を足すことは簡単である。
そして、都道府県・政令市のHPに基準を満たした施設として掲載される仕組み。

子どもを亡くしてから、県に騙された両親は、
県を責めるのではなく、自分を責める。
何度、「あなたが悪いんじゃない」と言っても、
両親の自責の念を拭い去ることはできない。

7.指導監督のコストも含めて、「指定制」を考えて

介護保険では、「指定制」によって、確かに、サービス供給量は爆発的に増えた。
保育でも、供給量は増えるのかもしれない。

しかし、小さい子どもは、大人が見てなかったら、
本当に簡単に死んじゃう弱い存在である。

供給量は増えたけど、劣悪な事業者が紛れ込んでいて死亡事故も増えた、
という結果にしてはならない。

例えば、
悪い施設を排除するために、少なくも平均3か月に1回の、
午垂時間帯の抜打ち立入検査が必要だろう。
保育現場に足を踏み入れただけで多くのことを感じ取れる保育園長経験者と、
閉鎖命令を出せる法務能力を持った行政職員のペアで実施する必要がある。
2人で担当できるのは、1か月に20日勤務するとして、3か月で60日、
60施設が上限だろう。
当該地域の施設数÷60日×2人×人件費が、監督コストとなろう。

子ども・子育て新システムに予算計上を!

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