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子ども・子育て新システムについて思うこと・その3 ~介護保険型の「利用者補助方式」への疑問②・公定価格と自由価格~ [保育について]

子ども・子育て新システムについて思うこと・その3
介護保険型の「利用者補助方式」への疑問②・公定価格と自由価格~

 2010年年11月4日、基本制度ワーキングチームにおいて提案された
「幼保一体給付」の政府案は、
サービス利用量に応じて一律の負担割合で利用者が自己負担する、
従量制利用料の介護保険型の制度設計となっている。

 そして、「公定価格」を原則としつつも、
入学金や保育料、体操・音楽などの課外活動の実費
(体操や音楽のような基本的な活動までもが【課外】活動という位置づけにビックリ!!)
は「自由価格」として上乗せ可能だという。

このシステムでは、親にお金がある子どもと、親にお金がない子どもは、
別々の幼稚園・保育園・子ども園に通うことになるのは決定的だろう。

現に、費用補償方式(利用者補助制度)の介護保険では、
自費サービスを沢山払えるお金のある人は、
人手も充分、施設も広くて明るくて清潔、食事も選択肢がある有料老人ホームへ、
自費サービスを払う経済的余裕のない人は、
最低限の在宅サービスでギリギリまでつなぎ、
要介護度が上がって優先順位が上がったところで、
ようやく特別養護老人ホームに入る、
という経済力による峻別は明確である。

他方、現物給付型の医療保険では、
自由価格(自費診療)と、公定価格(保険診療)との混合診療は認めていない。
混合診療を認めないことによって、確立した治療は保険診療の枠で、
患者さんがいつでもどこでも必要な医療を受けられる制度が維持されている。
混合診療を認めれば、本来必要な医療も「自由診療」部分にされ、
金のない人は十分な医療が受けられなくなる、と指摘されている。

上記のように、「体操」や「音楽」までもが自由価格で上乗せとなることが認められると、
今まで、保育所で無償で子どもにやらせてくれていた、縄跳び、鉄棒、ドッヂボール、
跳び箱、マット運動などは、制度のもとではどうなるのだろう?

あるいは、
特別に講師を招いて行う「習い事」的なものだけ自由価格で上乗せ可能、という趣旨だとして、
自費の上乗せがある幼稚園・保育園・子ども園で、お金が払えないから自分だけ受けられない、
となった子どもの気持ちはどうなるのか。
例えば、
習い事の代表のようなピアノの個人レッスンを、保育時間内に実施する場合、
月曜日はAちゃん、Bちゃん、Cちゃん、Dちゃん、Eちゃんが30分刻みでレッスン、
火曜日はFちゃん・・・、金曜日は・・・Yちゃん、ときて、
クラスで1人だけ親が自己負担できなかったZちゃんはいたたまれないのではないだろうか。

基本制度ワーキングチームの「幼保一体給付(仮称)についてⅡ(案)」の25頁には、
「なお、入学金や実費徴収分については当該施設を利用する低所得者に対し、
何らかの支援が必要ではないか。」との記述が見られる。

しかし、ピアノやヴァイオリンの個人レッスンのような「自由価格」部分のレッスン代を、
低所得者とはいえ公費から賄うことに国民の理解が得られるのだろうか?

結局のところ、
自由価格部分たっぷりのお金を払える親の子どものための施設と、
自由価格を払えない親の子どものための公定価格のみの施設とに、
子どもが分断されていくのではないだろうか。

介護保険型の「幼保一体型給付」には、絶対に反対である。

従来通りの「現物給付型の保育園」を、量的に増やすほうが、
「すべての子ども」の最善の利益に資するのではないだろうか。




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