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保育施設での死亡事故防止のための緊急提言 [保育について]

 今月(9月)2日に、保育施設での死亡事故が立て続けに報道されたことを受けて、今週月曜日(9月12日)に、赤ちゃんの急死を考える会で、内閣府と厚生労働省に「『保育死亡事故』防止のための緊急提言」を持って行き、担当者と良い意見交換ができたと思います。
 それのリライトになりますが、アップしておきます。


保育施設での死亡事故防止のための緊急提言


【第1ターゲット】午睡中死亡を無くす

 保育施設での死亡事故(保育死亡事故)の7割は、午睡中の死亡です。(※1)
 0-1歳児の午睡中の①うつぶせ寝と、②保育士不在を無くせば、すなわち、
=①あおむけ寝、②保育士の在室を徹底すれば保育死亡事故の7割は無くせます。(※2、3)

【手段1】保育施設への午睡中の抜き打ち立入調査(さいたま市方式)

① 死亡事故の多い午睡中に抜き打ちで立入調査を実施することを保育施設に周知(アナウンス効果)
② 実際に抜き打ち立入調査を相当割合の施設に行う(全数とは限らない)
③ 午睡中の指摘事項(うつぶせ寝、保育士不在、暗すぎて顔色や呼吸が確認できない)の減少(さいたま市では平成24年度41%→平成27年度15%に減少。川口市も今年度から実施)

【手段2】立入調査時の保育士の欠員/不在・午睡中の状況に関する指摘事項の公表(※4)

① 死亡事故に繋がる保育士の欠員/不在・午睡中の状況に関する指摘事項は、一発公表を周知(アナウンス効果)
② 実際に抜き打ち立入調査で、保育士欠員・午睡中の指摘事項(うつぶせ寝、保育士不在、暗すぎて顔色や呼吸が確認できない)があれば公表する
③ 保育士の充足・午睡時の保育室在室・あおむけ寝が徹底される

【手段3】1歳児の保育士(保育者)配置基準を3:1に上乗せする

 小児科学会の保育施設での死亡事故に関する報告(※5)で、「1歳以上では死亡事案が発生している施設の76.5%が認可基準を守っている施設であった。このことから1歳以上の保育士一人当たりの園児数に関する認可基準の妥当性を再検討する必要が示唆された」と指摘されています。
 1歳児のうつぶせ寝死亡事故の実態を見ても、保護者との分離不安で泣く1歳児を黙らせるためにうつぶせに寝かせるケースが多く見られており、抱っこ・おんぶをできる人手が、うつぶせ寝禁止の実効性を担保します。

【手段4】以下の2点を周知するポスターを午睡室内に張り出すよう各施設に配布

・0~1歳児は絶対にうつぶせに寝かせないこと(寝返りした場合も仰向けにする)

・子どもが睡眠中の部屋を保育者不在にしないこと


※1 厚生労働省・保育施設における事故報告集計 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000072858.html

※2 教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドライン 【事故防止のための取組み】~施設・事業者向け~http://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/meeting/kyouiku_hoiku/pdf/guideline1.pdf#search='%E5%86%85%E9%96%A3%E5%BA%9C+%E4%BF%9D%E8%82%B2+%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%89%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3'

※3 米国国立衛生研究所(NIH):Safe to Sleep 乳児死亡のトリプルリスク https://www.nichd.nih.gov/sts/campaign/science/Pages/causes.aspx

※4 死亡事故発生施設の立入調査結果を事後的に情報公開請求すると、保育士欠員やうつぶせ寝が指摘されているケース、過去に同種事故を起こしていたケースが多々見られる。

※5 日本小児科学会誌118号11巻1628~1635頁(2014年)http://www.blog.crn.or.jp/lab/m/pdf/lab_09_06.pdf

【第2ターゲット】誤嚥事故を無くす

 保育施設での死亡事故で2番目に多いのが、1―2歳児の誤嚥死亡事故です。認可保育所でも多く起こっています。
 子どもの嚥下機能(丁度いい量、タイミング、スピードの認知機能、咀嚼機能、嚥下機能)の脆弱性を補うために、保育士による観察、声掛け、介助が必須です。
  
【手段1】食事・おやつ時の1歳児の保育士(保育者)配置基準を3:1に上乗せする

 厚生労働省の認可外保育施設指導監督基準には、「食事の世話など特に児童に手がかかる時間帯については、児童の処遇に支障を来すことのないよう保育従事者の配置に留意すること」とされています。(何故か東京都の基準からは抜けている!!)
 多くの認可保育所では、独自に0、1歳児の昼食時に保育者を加配していますが、質の低い施設においても、子どもの命を守るための「最低基準」として、特に、食事時間帯の保育士配置を厚くすべきです。


【おまけ】小規模保育の年齢拡大に関する手当て

 大前提として、3歳未満児(0-2歳)の小規模保育所(A型)は、私自身が2009年11月に新聞紙上で提案したぐらいで、有効な待機児対策だと思って期待しています。
 他方で、小規模保育所は定員19人以下の認可施設ですから、自ずと職員数が限られます。規模の利益が得にくいため、少ないスタッフ人数で保育しなければならず、実際の運用は大変です。
 そして、3歳未満児(0-2歳)と、3歳以上児(3-6歳)では、発達段階が大きく異なります。保育施設での死亡事故は3歳未満児に集中しています。
 スタッフの少ない小規模保育所で、3歳未満児の死亡事故を防ぎつつ、3歳以上児の発達を保障するのは、極めて困難だと考えています。
 具体的な数字をあげて検討してみましょう。

 現行の必要職員配置数の算定方式(※1)に当てはめると、例えば、0歳児6人、1歳児6人、2歳児6人、合計18人の小規模保育所では、保育士4人の配置が必要でした(B型では保育士2人で可)(※2)。4人の保育士がいれば、園児の食事時間をずらすことによって、食事の世話など特に児童に手がかかる時間帯をカバーすることが可能になります。
 ところが、今回の対象年齢の拡大により、基準上は、0歳児3人、1歳児3人、2歳児3人、3歳児3人、4歳児3人、5歳児3人、合計18人の小規模保育所では、保育士は3人いれば基準を満たすことになります(B型では保育士2人、無資格者1人で可)(※3)。
 しかし、実際には、9人の3歳未満児を2人の保育者で安全に見ることは不可能に近いです。死亡事故が起きている施設でよくあるように、泣きぐずる子を黙らせるためのうつぶせ寝の横行や、食事の誤嚥による窒息事故の危険を高めます。

 そこで、どうしても小規模保育所の対象年齢を3歳以上児に拡大するのであれば、以下に挙げる保育士配置基準の見直しとセットで行い、安全を期するべきです。

【手段1】1歳児の保育士(保育者)配置基準を3:1に上乗せする

 1歳児の配置基準を3:1に手厚くすることにより、上記のケースでも3歳未満児9人に対して3人の保育士が必要となり、うつぶせ寝の禁止や、食事中の誤嚥防止が可能になります。

【手段2】3歳未満児と3歳以上児の保育士配置を別計算にする。

 3歳以上児の配置基準を別計算とし、常時2人以上配置とすることで、3歳以上児のみを戸外散歩により十分に遊ばせることが可能になり、3歳以上児に必要な運動量の確保、最低限の質の担保が可能になります。
 逆に、現行の配置基準のままだと、3歳以上児には保育者が1人しかつかないことになり、引率1人で9人の3歳以上児を連れて外出するのは危険が大きいため、事実上、戸外遊びを保障できなくなってしまいます。都市部では、戸外遊びを確保しなくても良いほどの床面積を確保できないからこその小規模保育所ですので、子どもの発達のためには人手で戸外遊びを保障する必要がありますね。

※1 現行の配置基準 「年齢別に子どもの数を配置基準で除して小数点第1位まで求め(少数点第2位以下切り捨て)、各々を合計した後に少数点以下を四捨五入。必要配置数=(0歳児×1/3 )+{(1歳児+2歳児)×1/6 }+(3歳児×1/20 ) + {(4歳児+5歳児)×1/30 }」且つ「常時2人以上配置すること」

※2 0歳児6人×1/3+(1歳児6人+2歳児6人)×1/6+4人

※3 0歳児3人×1/3 +(1歳児3人+2歳児3人)×1/6 +3歳児3人×1/20 +(4歳児3人+5歳児3人)×1/30=2と7/20を切り上げて3人


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そもそも「保育」は成長戦略 [保育について]

そもそも「保育」は成長戦略

 これも平成28年4月3日に厚生労働省に送った「保育制度の現状」についての意見です。
 
1.保育士の処遇について

 保育士の処遇が低すぎます。
 処遇が低いということは、保育士が子どもを大切にできず、死亡事故につながる虐待保育が行われる大きな要因です。
 本来、保育は、子どもとのアタッチメント(愛着)を形成し、応答的関わりを通じて、低年齢の子ども達に、人に対する信頼、自分の思いを伝える力、他者を認識して協働する力など、様々な非認知能力・「生きる力」を育む大切な教育課程です。
 家庭の保育力・養育力が低下し、発達障害と誤診されるネグレクト児童が増える中、保育所は、保護者の養育力を高める仕事までも請け負っています。
 更には、DV離婚や貧困など保護者の問題を女性相談員や生活保護課などに繋げるソーシャルワーク機能も果たしています。
 このような専門職としての保育士に対しては、その専門性に見合う給与と、専門性を高めるためのOJTでの研鑽の機会を保障すべきだと考えます。
 保育士に、現在のような非正規雇用、低処遇が広がったのは、平成13年の短時間保育士の導入に伴う規制緩和と、平成15年の公立保育園の一般財源化が大きなターニングポイントでした。
 同一労働同一賃金の原則が採用されていない日本において、一定割合の正規雇用を義務付けることは、処遇の底支えとして必要ではないでしょうか。
 あるいは、人材バンクとして、あるいは要保護児童対策や民間保育所を支援する重要な社会資源として、公立保育所は、一定数残すように、地方自治体を誘導すべきではないでしょうか。

2.すべての子ども達が、保護者が希望すれば保育所に入れるように
 先に述べた、3歳未満児からの保育において、アタッチメント(愛着)を形成し、応答的関わりを通じて、非認知能力・「生きる力」を育む保育、他方で、家庭や地域の保育・教育能力が低下している現状の中で、保護者が希望すれば、すべての子ども達に提供されるべきものだと考えます。資源の無い日本において、人材育成以外に、発展の道は描けませんから、子ども達に生きる力を育むことこそが、成長戦略につながるはずです。

(ここからは追記)

3.高度成長時代の工場労働者に代わる「中間所得者層」の仕事は何か

 グローバル人材が流行ですが、グローバルにキラキラ活躍する人材だけで世の中が回っているわけではありません。
日本語中心に日本で生活していく日本人は、これからも多いと思われますが、この日本語中心に日本で生活していく日本人が、日本人らしい優しさで繋がって、生き甲斐を感じて働き、安定して結婚し、子を産み育てて行けるようでないと、競争競争で他人を蹴落とし、蹴落とされる不安で、心を病んでしまう人も増える一方でしょう。
では、グローバル化しても日本国内に大量に残る仕事って、なんでしょうか?
 それこそ、介護・医療や保育・教育などの日本人に対して日本語で提供されるサービスではないでしょうか。これらの仕事に従事する人たちに対して、まっとうな給料を支払い、夫婦共働きなら子ども2人大学まで行かせられる、というぐらいの処遇をすれば、分厚い中間所得者層が復活して、消費も含め、お金がグルグル回り始めるのではないでしょうか。
 介護や保育の従事者の給料を上げる財源はどうするんだ、と言われると思いますが、鶏と卵の関係で、介護や保育に財源を投与して、その従事者が分厚い中間所得者層になれば、その人達が分厚い消費者・納税者になり、お金はグルグル回るはずです。対外的には国際収支は大幅に赤字になるかも知れませんが、域内でお金がグルグル回って、人々が心の安定を取り戻し、幸せを感じられる人が増えるのであれば、庶民にとって国際収支が赤字でも大きな問題ではないように思います。
 ということで、保育士を「分厚い中間所得者層」の一角と位置づけて大幅な財政投入をすることを望みます。

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「安全」を切り捨てない待機児童解消策 [保育について]

 同じく、平成28年4月3日に厚生労働省に送った「安全を切り捨てない待機児対策」の提案についてもアップしておきます。

「安全」を切り捨てない待機児童解消策

先に述べたとおり、保育士の配置基準と、面積基準には安全確保のための重要な意味(必要性)があります。いかなる待機児童解消策においても、保育士配置と面積基準の緩和はすべきではありません。

1.本質的には、保育士が安心して働ける処遇の改善を

(1)給与の底上げ
  ① 保育単価の増額(財源は後述)
  ② 労働分配率の縛り(小泉改革で規制緩和したものを復活させる)(財源不要)

(2)スキルアップの補償
  ① OJTで学べる環境の確保
   → 自治体からのベテラン保育士の派遣(後述)
  ② 研修参加のための代替職員の確保
   → 自治体からのベテラン保育士の派遣(後述)

  【自治体からの保育士派遣】
    急激な待機児対策のための保育園新設により、経験の浅い若い保育士しか居ない保育園が激増しています。しかし、経験値が低いことが、子ども達が一斉に泣いたり、それぞれがてんでばらばらに行動したときにキャパシティオーバーとなり、うつぶせ寝、閉じ込め、脅迫などの虐待に繋がっています。
自治体が民間事業者の支援策として、経験豊富な保育士を、例えば、経験年数5年未満の保育士しか居ない施設に1年間派遣しOJTで手本を示すなどの方策を採ってはどうか。(巡回指導は、監査に準じたものと意識されやすく、相談がしにくい、日常の保育中での問題点の解消につながらないことが懸念される。)
    また、研修に参加する機会を補償するためには、業務時間内に現場を離れられる人員体制が必要となるが、自治体から臨時的な保育士派遣をしてはどうか。

(3)仕事上のストレスの緩和
   保育園は、要保護児童や障害児の受け容れが進み、また、地域の子育て力の低下からナーバスな保護者が増加しており、保育士のストレスも増加していることが、保育士の退職原因の一つになっています。
 自治体が、臨床心理士や医師などの専門職を巡回させて、スーパーバイザーとして相談に乗る体制を整備してはどうか。

(4)奨学金の免除
   保育士養成校を卒業した人のうち約半数が保育所以外に就職している背景に、保育士は給与が安く、養成校に進学するために借りた奨学金を返済できないため、他職に就くというケースがあります。
   そこで、保育士として5年以上働いた場合には奨学金を半額免除、10年以上働いた場合には全額免除(政府が独立行政法人日本学生支援機構への返済を肩代わり)するなど、保育士としての就労を促進することとしてはどうか。

2.財源について
 財源の捻出方法について、指摘します。

(1)国庫負担の増額
   日本で少子化及び超高齢化が進んでいるにもかかわらず、子育て支援予算がOECDで断トツの最下位のGDP比1%程度であることからすれば、政府による財政支出を、まずはOECD平均のGDP比2.3%程度まで引き上げることは、喫緊の課題です。

(2)運営費の労働分配率の縛りを復活・厳格化させる
   規制緩和により、保育所運営企業の利益配当が可能になったり、正規雇用比率の縛りが無くなったりした結果、規制緩和前は運営費に占める人件費比率が70%台と言われていたのが、50%台の保育所もあるとの指摘がなされています。
運営費に占める人件費比率の下限を縛ることで、保育士待遇の改善の財源を捻出することが可能です。但し、同族経営の事業主体において、園長・主任・事務長などの役職手当を同族で受領し、一般保育士の処遇が低い園も見受けられることから、同族以外の者への分配率を報告させないと実効性が上がりません。

(3)事業者に対して保育士の定着率を公表させる
 保育士の定着率を向上させる工夫を各事業者に競わせることを誘引する目的で、法人毎・園毎の保育士定着率を、全体・1-2年目・3-5年目・6-10年目・10年目超などの区分で公表させてください。
 工夫の内容は、賃金のみならず、残業の有無、有給休暇の取得のしやすさ、仕事上のスキルの向上の機会の有無、保育士として長期に働くロールモデルの有無など、様々な工夫があり、、事業者が工夫を競うことで定着率が上がることが期待できます。

(4)高所得者への保育料の増額
   子ども子育て制度の枠組み内の保育所・子ども園・小規模保育などは所得に応じた応能負担により保育料を保護者から徴収していますが、多子減額などの調整はしつつ、高所得者の保育料を増額する、幼児クラスの保育料を増額する(幼稚園利用世帯との利用時間に応じた均衡をはかるとともに、幼稚園にも公定価格・応能負担を導入する)ことにより、財源を増やすことができます。
   ただし、世代間格差を考慮すれば、高所得や一定規模以上の資産を有する高齢者への介護保険自己負担率の増額や、高額療養費・高額医療費の還付制度の適用除外などを同時に進めるべきでしょう。

3.短期的な(今年度の)緊急対策について

(1)雇用主に対し、育休延長の配慮を求め、待機児となったことにより職場復帰できない場合の解雇を制限してください。
その裏付けとして、
  ① 育休職員の代替職員確保の費用を、雇用主に対して給付する
  ② 育休職員の社会保険料等の雇用主負担分を免除する
  という施策をお願いします。

(2)公共施設の空きスペースなどを活用し、定年退職保育士を活用したグループ保育を
   公立保育園を定年退職して再任用で他の職場で働いている保育士が各自治体に居るので、この人達を活用して、グループ保育を実施することは有効な対策です。この方法では、公務員の定年延長に伴い、もともと再任用している公務員保育士であり、新たな財政負担は生じません。

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ここがヤバイ!厚労省・待機児童解消緊急施策への問題指摘 [保育について]

ここがヤバイ!厚労省・待機児童解消緊急施策への問題指摘

 平成28年3月28日付けで厚生労働省は「待機児童解消に向けて緊急的に対応する施策について」を公表しました。
しかし、保育施設での死亡事故に15年以上かかわってきた私の目から見ると、「それはヤバイよ!!!」と言わざるを得ないものも含まれています。以下、平成28年4月3日に厚生労働省に送った意見をアップしておきます。

1.保育士配置の国基準では1歳児の誤嚥窒息・アナフィラキシーショックが頻発します

誤嚥による窒息の発生は1歳(0・1歳児クラス)の食事中に集中しています。1歳は、「どのくらいの量をどのくらいのスピードで食べればちょうど良いか」という認知機能も、咀嚼・嚥下機能も脆弱だからです。誤嚥窒息を防ぐ方法は、調理室における食材・食形態の配慮と、保育室における保育士の見守りしかありません。
また、全般的にアレルギー対応食の提供児童が増加しており、アナフィラキシーショック防止のためテーブルを分けて食事提供している園がスタンダードです。
誤嚥及びアナフィラキシーのリスクをコントロールするために、一般に保育所では、1歳の食事時、非常勤保育士も含めて子ども4人:保育士1人で運用しています。これを6:1の国の最低基準通りに詰め込めば、誤嚥窒息及びアナフィラキシーショックの頻発が予想されます。
保育士配置基準の緩和、無資格者による代替は、絶対にやめてください。

2.保育士有資格者の配置基準緩和でネグレクト死が増加します

 泣く子どもをうつぶせに寝かせて「騒音」を消すために毛布を被せて放置したり、押し入れの中や別室に寝かせて放置(ネグレクト)して窒息死するケースが相次いでいます。また、近年、保育ママ・ファミリーサポート事業などでのうつぶせ寝死亡が目立ちます。
 保育士資格は、子どもの発達についての専門知識を有していることの最低限の保障です。ギャーギャー泣き叫ぶ他人の子ども、しかも複数の子どもが同時に泣き叫んだ時に、虐待に及ばずに抱っこしたりおんぶしたり受容したりできるのは、「発達についての専門知識」と「保育現場での経験」の両輪によります。「発達についての専門知識」がない無資格者や、「保育現場での経験」が無い若手保育士のみの職場で、泣いて言うことを聞かない子どもに応答的に関わることなく、毛布を被せたり、毛布でくるんで縛ったり、閉じ込めたり、叩いたり、脅したりという虐待行為が起こっています。死亡事故は、その延長線上で起こっています。
 保育士有資格者の配置基準緩和は、絶対にやめてください。

Ex.ベビーシッターが叩いた暴行罪、宇都宮市グルグル巻きの暴行罪、郡山市認可外(泣くのでうつぶせに寝かせて毛布を頭から被せて重しを乗せて放置し窒息死・仙台高裁民事判決)、川口市認可外(泣くとうるさいので押し入れに寝かせて暗くして、起きだした子が他の子に乗って圧迫窒息死・業務上過失致死罪)、さいたま市認定ナーサリー(午睡中泣くので布団を頭から被せ、死後硬直が生ずるまで放置)、八尾市ファミリーサポート(泣くのでうつぶせにして寝かせた)、23区内企業内保育所(泣くので他の子と別室にうつぶせに寝かせて放置)など。

3.面積基準の国基準への詰め込みで噛みつき・ひっかきが頻発し、保育士の退職につながります

人間には他者に侵害されると攻撃的になるパーソナルスペースがあります。*ここに踏み込まれると、噛みつき・ひっかきなどのトラブルが1,2歳児において頻発し、保護者からのクレームが保育士を圧迫します。
また、詰め込みにより、子どもが集中して遊びこむことができなくなり、子ども同士の小競り合いが増え、保育士の多忙感が増すことになります。
いずれも、保育士が燃え尽きてしまい離職する原因になっています。

*全国社会福祉協議会による「機能面に着目した保育所の環境・空間に係る研究事業総合報告書」によれば「2歳未満児は1人あたり4.11㎡」必要とされています。

4.企業内保育所でも子どもは亡くなっています

人員配置・面積基準を緩和するのはやめてください
企業主導型保育事業を「子育て支援員等」によって整備しようとされていますが、企業内保育所でも、類似の死亡事故は起こっています。
事業所内保育所の中には、保育士資格のないベビーシッターが日替わりで保育しているケースや、保育士の入れ替わりが激しいなど、子どもと保育者の愛着形成がなされず、ギャーギャー泣くのを放置したり、うつぶせ寝で放置した死亡事故は、他の設置形態の保育施設と同様に起こっています。
企業主導型保育事業に対しても、面積基準・保育士配置基準を順守させるとともに、指導監督を及ばせてください。
EX.都立小児病院事件、都立豊島病院事件、23区内企業内保育所など

5.一時預かり事業の待機児対策活用は、家庭で子育てする人の居場所を奪うもの

一時預かり事業は、家庭で子育てをしている保護者のリフレッシュや所用時の利用のみならず、うつ状態や虐待のおそれのあるケースの優先利用で満杯の現状にあります。これを待機児童の受け皿としてしまうと、家庭で子育てする人の居場所や、虐待予防のための受け皿がなくなってしまいます。
 一時預かり事業の活用はやめてください。

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「弁護士法人きぼう」の解散と  「きぼうネットワーク」のスタート [所属事務所]

「弁護士法人きぼう」の解散と、「きぼうネットワーク」のスタート

私が代表社員を務めてきた「弁護士法人きぼう」は、
2015年12月31日にをもちまして法人を解散し、
あらたに「きぼうネットワーク」として再スタートすることになりました。

2010年8月、希望を見失いかけて途方に暮れている方々が、
自分の住んでいる街で、法的サービスを利用し、再び生きる希望を取り戻して歩き始める、
そのお手伝いをしたいという思いから、「弁護士法人きぼう」を設立し、
弁護士が少ない・居ない地域である新潟県柏崎市、新潟県糸魚川市に支所を開設し、
東京でも弁護士の少ない練馬大泉学園地域に支所を開設してきました。

特に、新潟の二つの支所は、柏崎市・糸魚川市からの支援、新潟県弁護士会からの支援、
弁護士過疎偏在対策という広い意味では日本弁護士連合会からの支援を受けて設立しました。
そして、3支所それぞれに地域の諸団体や個人の皆さまのお力添えと、
実際に現地に赴任した弁護士たちの奮闘とがあいまって、
地域の皆さまや依頼者の皆さまからの信頼を得て、着実に地域に根を張った活動を展開し、
今後の継続性についても見通しが立ってまいりました。

他方、各支所が独立して運営を継続していく目処が立ってくると、
「弁護士法人」という入れ物を使うデメリットのほうが目立つようになりました。
税金・社会保険料・弁護士会費の二重負担・法人運営のための間接経費など
お金の面でのデメリットと、
柏崎きぼうと糸魚川きぼうは新潟地裁高田支部での利益相反が生じやすく、
同じ法人であるがゆえの制約があります。

「弁護士法人」の入れ物が無くても各支所が地域に根を張って、
継続的に活動していける段階まで来たのなら、
「弁護士法人」にかかるコストを他のことに振り向けたほうが、
更に活動が発展できるのではないか、
ということで、「弁護士法人きぼう」を解散することにいたしました。

これまで地元行政や弁護士会はじめ、多くの団体や個人の方々のご支援を戴きましたこと、
また、これまで「弁護士法人きぼう」に参画し、力を貸してくれた弁護士・事務局たちにも、
心より感謝・御礼申し上げます

今後は、
・東京きぼう法律事務所
・柏崎きぼう法律事務所
・糸魚川きぼう法律事務所
・練馬大泉きぼう法律事務所
は、それぞれ個人事務所として独立運営していくことになります。

とはいえ、
この国に住むすべての人々が、自分の住んでいる町で、法に守られ、権利を実現し、
生をまっとうできる社会を築く運動は、不断の努力によってしか成し遂げられません。
私たちは、この目標を共通にする「きぼうネットワーク」として、
今後も互いに連携・協力しながら活動していきたいと考えています。
引き続き、ご支援・ご協力・ご愛顧いただきますようお願い申し上げます。


【弁護士法人きぼう の歩み】

2010年8月   弁護士法人きぼう 設立(東京きぼう法律事務所を池袋に開設)
          設立メンバー:寺町東子弁護士、後藤真紀子弁護士、杉岡麻子弁護士
2010年11月  平塚崇弁護士入所(法テラス短期養成)
2010年12月  山本悠一弁護士入所(過疎偏在対応養成)
2011年4月   馬場望弁護士入所(パートナー)
2011年6月   平塚崇弁護士・法テラス下妻へ赴任
2011年11月  石田武臣弁護士入所(客員)、田村剛士弁護士入所(過疎偏在対応養成)
2012年12月  松本常広弁護士入所(過疎偏在対応養成)
2012年3月   支所・柏崎きぼう法律事務所設立・山本悠一所長
2012年4月   松本常広弁護士退所
2012年8月   支所・糸魚川きぼう法律事務所設立・田村剛士所長
2012年10月  三橋昌平弁護士入所(法テラス短期養成)
2012年12月  長田悠希弁護士入所(過疎偏在対応養成)
2013年1月   木村康之弁護士入所(パートナー)
2013年3月   三橋昌平弁護士・法テラス佐渡へ赴任
2013年4月   浦﨑寛泰弁護士入所(パートナー)
2013年9月   支所・練馬大泉きぼう法律事務所設立・木村康之所長
2013年12月  小出薫弁護士入所(過疎偏在対応養成)
2014年1月   石田武臣弁護士退所・東池袋法律事務所設立
2014年4月   長田悠希弁護士が柏崎きぼうへ赴任(2代目所長)
2014年6月   東京きぼう法律事務所・新大塚へ移転
          杉岡麻子弁護士退所・東京はやぶさ法律事務所へ
          浦﨑寛泰弁護士退所・PandA法律事務所設立
2014年7月   山本悠一弁護士が柏崎きぼうから東京きぼうへ帰任
2015年2月   小出薫弁護士が糸魚川きぼうへ赴任(2代目所長)
2015年4月   田村剛士弁護士が糸魚川きぼうを退任・新潟つばさ法律事務所へ
          馬場望弁護士退所・のぞみ法律事務所設立
2015年5月   平井経博弁護士入所(パートナー)
2015年6月   飯塚亜矢子弁護士入所(パートナー)
2015年10月  飯塚亜矢子弁護士・練馬大泉きぼう法律事務所へ移籍(2代目所長)
2015年12月  根本達矢弁護士入所(ひまわり・法テラス養成)
2015年12月16日 支所廃止
          柏崎きぼう法律事務所
          糸魚川きぼう法律事務所
          練馬大泉きぼう法律事務所
          は、独立して個人事務所として再スタート
2015年12月31日 弁護士法人きぼう 解散
          弁護士過疎偏在対策のための緩やかな「きぼうネットワーク」として再編



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